理学療法士に向いてないってどういうこと?

前回の記事で,理学療法士に向いている人は,「まったくだめ」という分野がない人であると書きました。
今回は,「まったくだめ」とはどういうことなのかを書いてみたいと思います。
長所で補うことができないほどの短所や,仲間に助けてもらってもどうにもならない短所とは,どの程度の短所なのかについて考えてみます。

様々な要素が絡み合う話になります。
まずは,病院や施設などで働く場合に限ってみたいと思います。
いわゆる臨床で働く場合です。

適性の定義も簡単ではありません。
今回は,理学療法士として働くことで,本人が極端に辛い思いをするのであれば,理学療法士には向いていないということにします。

そして,話が広がりすぎないよう,人間関係にしぼって考えてみます。

理学療法士の仕事は人間相手の仕事です。
患者との人間関係を良好に保つことが重要です。
また,他職種との連携が求められますし,同僚との人間関係も大切です。

人間関係が「まったくだめ」とはどんな状況なのでしょう。
これはかなり難しい話です。

人と関わるとたいがい険悪なムードになるという人はさすがにしんどいのかなと思います。
ただ,そうなってしまう原因は様々で,少し努力すれば改善できる場合もあり,それだけで向いていないとは言い切れません。

友達が一人もいないという人はどうでしょう?
友達はいつでもいるというものでもありませんし,ある程度の年齢になって初めて友達ができる人もいます。
友達がいない患者には友達がいない理学療法士の方がいいこともあります。

臨床実習で,ほぼ全ての患者に拒否された学生がいました。
でも,他の実習施設では拒否されることは少なく,その後,理学療法士になって働いています。

向いていないとはっきりといえるレベルを明確にするのは簡単ではありません。
上にあげたような人たちは理学療法士として臨床に出た時にはかなり苦労するでしょう。
でも,苦労をしたとしても,その苦労が実って患者がよくなるのであれば,誰も文句は言いません。
患者がよくなるのであれば,努力が報われるわけですから,理学療法士に向いていないような人でも納得して働くことができるのかもしれません。

最初に「本人が極端に辛い思いをするのであれば,理学療法士には向いていない」としましたが,その辛さを受け入れてしまうこともできるということです。
適性を考えるのはやっぱり大変です。
どれくらいの辛さなら受け入れることができるのか?
個人の価値観や生き方の問題かなと思います。

ちなみに僕は,辛い思いをするようなことはしないようにしています。
心にダメージが蓄積していくような気がしますので。
でも努力を放棄するのではありません。
得意なことであれば,気持ちよく努力することができます。
大変なことをしていても,困難に立ち向かっているという気持ちにはなりません。
そのほうが幸せだと思います。

2018年8月31日

コメント

タイトルとURLをコピーしました