変なタイトルですが,リスク管理について,まあまあ真面目な話です。
リスクがあると分かっていても,何か別のことに集中してしまい,リスクがあることを忘れてしまうことがあります。
よくあるのが,実習生が検査をするときに,慣れない検査に精一杯になり,患者に痛みがあることを忘れてしまうというパターンです。
痛みを生じるのが手術創であり,その手術創が見えていたなら,そこに痛みというリスクがあることを忘れにくいでしょう。
でも,痛みを生じるのが皮下の組織であったなら,目に見えず,隠れてしまっているために,その存在を忘れがちです。
そんな時,忘れないようにするための一つの方法が挨拶をするということです。
人に挨拶するだけでなく,組織や器官に挨拶します。
どういうことかを説明します。
治療を始める時には,たいていは挨拶をすると思います。
挨拶することの重要な意味の一つは,あなたという人を尊重しているというメッセージを送ることです。
挨拶をすることで,組織や器官ではなく,「人」に意識が向きます。
ということは逆に,リスクのある組織や器官に意識を向けたいのなら,それらに挨拶をすればいいのではないでしょうか?
例えば中殿筋です。
中殿筋への手術侵襲があったとしても,中殿筋は見えません。
そこで,「中殿筋さん,おはようございます」です。
そうすることで,「今日は中殿筋の痛みに気をつけながら,,,」ということを忘れにくくなります。
それに,擬人化することで,中殿筋の大変さを,感情を伴って理解することができます。
「中殿筋には手術侵襲による痛みがある」ではなく,「中殿筋さんは,手術で切り裂かれて,大変な目にあっている,自分が守ってやらないと」となります。
先の実習の例なら,普通は,学生が検査を始める直前にリスクに関わる項目を口に出して再確認させれば充分かもしれません。
でも,さらに強く印象づける方法が挨拶です。
ぜひお試しください。
もちろん,本当に口に出して言わないでくださいね。
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2020年10月6日
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