歩幅の左右の定義
歩行分析の勉強をしていて,右の歩幅という表現があり,ある疑問が湧いてきました。
歩幅の左右の定義は統一されているのだろうか?
手持ちの文献1-4)で確認したら,全てで同じでした。
右の歩幅は,右下肢を踏み出した時の歩幅で,左足が接地したところから右足が接地したところまでの距離です。
逆の定義もありうる
右足を踏み出したのだから右の歩幅だとするのはとても自然な感じがします。
教えられたわけでなく自然とそういうものだと思っていた人もいるかもしれません。
でも,逆の定義もあり得ます。
左足を軸にして右足までの距離を測るのだから,左の歩幅だとしても構いません。
科学的な態度
どちらでもあり得るのだから,ちゃんと決めておく必要があります。
定義が違っていれば,コミュニケーションは成り立ちません。
特に,会話が楽しければいいのではなく,情報を正確に伝えなければならない場面では,定義はとても大切です。
つまり,科学の世界では定義を確認することが大切です。
「言わなくても分かるだろう」とか「状況を見て察して」ということも,ときには大切です。
でも,そんなときでも,定義のことは常に頭の片隅に置いておくべきでしょう。
科学的な態度って,そういうことなんだと思います。
参考文献
1)武田功(統括監訳): ペリー 歩行分析 原著第2版 -正常歩行と異常歩行- .医歯薬出版, 2017, pp4.
2)月城慶一, 山本澄子, 他(訳): 観察による歩行分析. 医学書院, 2006, pp9.
3)武田功(統括監訳): ブルンストローム臨床運動学原著第6版. 医歯薬出版, 2013, pp496.
4)嶋田智明, 平田総一郎(監訳):筋骨格系のキネシオロジー. 医歯薬出版, 2005, pp551-552.
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2020年12月1日
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