第55回理学療法士国家試験午前問題21は適切な問題なのか?

第55回理学療法士国家試験の午前問題21について,理学療法士の国家試験として適切なのかどうかを考えてみました。

まずは,問題を引用します。

臨床研究を実施する上で適切でないのはどれか。
1.研究対象はポスターを用いて募集した。
2.研究の内容について対象者に書面を見せながら口頭で説明した。
3.データ処理を匿名化で行った。
4.得られたデータはパソコンの共有フォルダで保管した。
5.対象者からの研究の同意への撤回請求に応じた。

正解は 4 です。
データを共有フォルダで保管すると,守秘義務のあるデータが漏洩する恐れがあるということだと思います。
この選択肢 4 が正解である理由は正しいという前提で話を進めます。

共有フォルダで保管すると,本当にデータが漏洩する恐れがあるのでしょうか?
共有フォルダへのアクセス権を共同研究者のみに与えているのであれば,データは漏洩しにくいのではないでしょうか?
共有フォルダが適切でないとは言いきれないと思います。
でも,今回とりあげたいのはこのことではありません。

上の説明で,アクセス権という単語が出てきたところで,「パソコンのことは詳しくないんだけど,,,」と思った人がいるのではないでしょうか?
つまり,選択肢 4 について論じるためには,パソコンの知識が必要ということです。

ということは,この国家試験問題は臨床研究について問うているだけでなく,パソコンの知識を問うていることになります。

国家試験出題基準には情報管理や個人情報保護があります。
実際に情報を管理するためには,パソコンを適切に使用する必要があります。

でも,パソコンの知識は理学療法士の国家試験で問うことなのでしょうか?
パソコンの知識は現代の全ての社会人にとって必須の知識ですので,中学校や高等学校での試験で問うことなのではないでしょうか?

議論が必要だと思います。

2020年8月10日

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