科学を臨床に応用できるようになるために必要な態度

はじめに

科学を臨床に応用できるようになるためには,科学についての様々な知識が必要になります。
でも何事も知識だけではうまくいかないものです。
この記事では,科学の知識とともに身につけておきたい態度や心構えについて,私の考えを書いてみたいと思います。

限界を意識する

科学で分かっていないことはたくさんあります。
そもそも根本的なことが分かっていないということはよくあることで,医学(生物学)ではそもそも生命とは何かが分かっていません。

ですので,科学には限界があります。

科学に基づいていても正しさが保証されるわけではありません。

何が起こっても適切に対処できるよう,間違っているかもしれないということは常に想定しておいたほうがいいと思います。

因果関係の分析は何のため?

問題解決において,因果関係の分析は不可欠であり,科学は重要な役割を担います。

しかし,因果関係の分析を行おうとすると,心理的なブレーキがかかることがあります。
因果関係がはっきりすると,原因となった人が特定され,その人が攻撃を受けることがあるからです。

因果関係の分析に対するネガティヴなイメージが強くなりすぎないようにしなければなりません。
簡単なことではないのでしょうが,まずは自分自身がどう感じているのかを知ることが大切だと思います。
例えば,因果関係の分析を行おうと思ったとき,「本当は犯人を見つけて攻撃したいのではないだろうか?」と自分自身に問うてみるといいのかもしれません。

あなたを疑っているのではない

科学は疑うことから始まるという側面があります。
本当にそうなのかを確かめたいというのが科学の基本的なモチベーションの一つです。

そして,ここでも心理的なブレーキがかかります。

発言の内容の真偽を疑っているだけなのに,その発言者を疑い,発言者の人格を否定していると思われるがあります。

人の社会では,間違ったことを言ってしまうと,それをきっかけにしてダメな人間だというレッテルを貼られてしまうことがあります。
そういうことを極端に恐れている人は,否定されることに過剰に反応します。

疑っているということを表明するときには慎重でなければなりません。
そして,発言内容を疑うことと発言者を疑うことは別のことであるということを,常に意識しておきたいものです。

おわりに

科学を臨床に応用することは,とても難しいことだと感じています。

今回は態度についての話でしたが,今後は科学的な思考のために必要な知識やスキルについても書いていければと思っています。

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2021年9月5日

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